とあるKSDDのアイドル考察録

アイドルオタク9年目のKSDDがアイドルに関して色々考えてみます

大空目指すように ~ミサキサンのnuance脱退に寄せて~

2022年3月30日、初期メンにして中心メンバー、そして僕の推しでもあるmisakiさんがnuanceを脱退した。ラストライブとこれまでの思い出を振り返ってみる。

 

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nuance misaki last oneman live [f-u] ライブレポート

ミサキサンが脱退を発表したのは、3/14の事だった。そして同時に発表されたラストライブの日程は3/30…すぐじゃねーか!しかも平日!

かくして、僕は上司にこの日だけは定時で帰らせてもらいますと宣言し、定時ダッシュを決めることになった*1。以下当日のことを思い出しながらレポート。

ちなみに宗像さんによるライブレポートはこちら↓。

news.yahoo.co.jp

 

会場を引き込む序盤

冒頭のSEは、最新の二枚のミニアルバムの1曲目の「a」「un」を重ね合わせたもの。ミサキサンの脱退公演でなくてもおっ、と思わせる演出だ。そしてそれに続いて始まったのは「セツナシンドローム」。nuanceの始まりの曲であり、僕が最もイントロが好きな曲だ。この曲の独特なサウンドとオタク達のクラップが代官山UNITを埋め尽くしていく…最高のライブが始まったことを確信した。

「tomodachi」、「ナナイロナミダ」、「テキーラサンライズ」と新旧のヌュアンス節全開のサウンドでライブは突っ走り、5曲目に披露されたのはヌュアンス最強のキラーチューン「タイムマジックロンリー」だ!!ミサキサンが「最後のタイムマだ、踊れー!」と叫び、オタク達はそれに全力で応える。

3月頭に行われたフェヌュでばっさり髪を切った姿を見せたミサキサンだったが、やっぱり最後はポニテで、ということで黒いリボンをしている*2、今日はハッピーに笑顔で終わりたいというMCを挟み、フリコピも楽しい曲「I know power」が始まる。「FlatRat」では前述のポニテこと黒いリボンが顔に貼り付いてしまうも、気にせずアツいパフォーマンスを見せるミサキサン。かっこいいぜ!

 

椅子を使ったラグジュアリーな中盤

「サーカスの来ない街」で少しテンポが落ち着いた後に椅子に座って始まったのは、「yokohama sweetsidestory」だ*3。3人の歌声のハーモニーがしみいる…。曲中で珠理ちゃんがミサキサンを見つめるが全然気づいてくれず、不満げな表情を見せる。ついで「たそがれ」「君待ち商店街」だが、商店街イベに行ったことがない僕は初見だ!ここにきて初見曲が聞けるとは思わなかったので純粋にうれしい。商店街イベントに出てる頃から通ってるオタクは胸熱だろうなぁ。

その後、「sanzan」を披露したところで、どういうわけか涙が出てきた。「sanzan」には僕の涙腺を刺激する何かがある。

 

ミサキサンからの手紙

「白昼ブランコ」が終わり、MCが始まる。卒業ライブあるあるミサキサンからの手紙が読まれる。ドラえもんひみつ道具を出す時のような声色でおどけて始まった手紙コーナーだったが、その手紙はミサキサンの真摯な性格が詰まったものだった。手紙の全文は宗像さんのライブレポートにゆだねるとして、特に僕がグッときたのはこの部分だ。

思い起こせば、nuanceや自分の生活の中で困難が降りかかったとき、今、振り返ると必ず誰かがそばにいて助けてくれました。思いがけないところから助け舟を出してくれる人もたくさんいました。「きっと私って運がいいんだなあ」と、初めはそんな風に思っていたのですが、たぶん、それは少し違うんですね。きっと人はみんなひとりじゃない。そういうことなんだと思います。「人はみんな、ひとりじゃないんだ」という美しい答えに、私は実感としてたどり着くことができました。これがミサキサンが5年間で見つけたものです。だからずっと、この会場にいるあなたも、ひとりじゃない。誰かが必ず必ず見守ってくれています。だから笑顔でお互い明日からも生きていきましょう。

この手紙の朗読を聞きながら僕は「これがミサキサンなんだよぁ…」と思ってしみじみと涙を流した。ミサキサンはこの挨拶を堂々と、朗々と読み上げた。その姿は美しかった。

 

想いを詰め込んだラストスパート

『i-k-i 「un」』収録曲「highlight」を聞くのは初めてだ。ミサキサンバージョンが1回でも聞けて良かった。そして、ここからヌュの代表曲を詰め込んだ怒涛のラストスパート!

まずは「sekisyo」。二番サビ前でメンバーを抱きしめるミサキサンがいつもに増して尊い。人気曲「ハーバームーン」、そしてZeppでの二度のワンマンを彩った曲であり、僕が最も好きな「雨粒」…。豪雨のように降り注ぐサウンドをただじっと浴びていた。次いで爽やかなサウンドでコロナ禍のヌュを支え、みおちゃんの脱退を見送った「last a way」。

そして聞きなじみのあるイントロが聞こえる…「ミライサーカス」だ!わかちゃんがステージ脇から椅子を追加でもう一つ持ってくる*4。みおちゃんパートは、ミサキサンが「あなたはミライサーカスのペンギンです!4人の未来とみんなの未来が明るいように!」と客席に語りかけるように言い換える。そして熱狂の中ライブ本編は終了した。

 

アンコール&セレモニー

アンコールで歌われたのは今年の元日に急遽MVが公開された「sky baloon」だ。大サビに入る瞬間、完璧なタイミングでサイリウムが折られ、UNITを白い灯りが埋め尽くす。美しい光景だ。

ミサキサンもその後のMCで「キレがすごい…」と感涙していた*5。そこでライブもいよいよ終わりかと思ったが、ミサキサンが「それではセレモニーを行います」と宣言する。(セレモニー?手紙は読んだが…)というオタク達の心の声をよそに、始まったのはなんとミサキサンから珠理ちゃんへのポニテ引継式だ。ナカノワックスで髪を整え、アンコールからミサキサンがつけていた赤いリボンを付け替え、珠理ちゃんのポニーテールが完成した。そしてライブが終了した。

客電がついてBGMに流れたのはミサキサンの新しいソロ曲「ポラリス」だ。もちろん推しの脱退に寂しさはあるが、最後にポニテの珠理ちゃん&ミサキサンのソロ曲と、ヌュとミサキサンの未来を感じられ、笑顔にあふれたミサキサンらしい素晴らしいライブだった。

 

セトリ

SE.a/un

1.セツナシンドローム
2.tomodachi
3.ナナイロナミダ
4.テキーラサンライズ
5.タイムマジックロンリー

MC

6.I know power
7.ai-oi
8.FlatRat
9.サーカスの来ない街
10.yokohama sweetside story
11.たそがれ
12.君待ち商店街
13.青春の疑問符
14.sanzan
15.白昼ブランコ

MC

16.highlight
17.sekisyo
18.ハーバームーン
19.雨粒
20.last a way
21.ミライサーカス

MC
en.sky baloon
ポニテ引継式

 

ミサキサンの思い出

出会い

僕がnuanceと最初に出会ったのは3年前にヴィレッジヴァンガード渋谷店で行われた『town』のリリイベのことだった。当時tipToe.にハマり始めていた僕は『Daydream』と合同で行われたこのリリイべに参加することにしたのだ。この日のラストが「ヒューマノイズ・ヒューマノイド」だった。独特のサウンドが好みだと感じ、僕はヌュ現場に足を運ぶようになった。

 

ミサキサン推しに

僕がアイドルとちゃんとチェキを撮っているのは、ここ3年くらいの話で、それまでは数えるほどしか接触系のイベントに行ったことがなかった*6。だからそれまでは当然アイドルからの認知なんかもなかったし、「推し」と言っても強いこだわりを持ったものではなかった。

しかし、当時のヌュ現場は2ショチェキが1Kというレギュだったため、チェキを撮るハードルが低かった。それに加えて僕と同じくフィロのス・マリリさん推しというところにも親近感がわき、僕はミサキサンを推し始め、コンスタントに接触に通うようになったのだ。なので、僕にとっては明確に認知をもらった最初のアイドルがミサキサンだった*7

 

色んな思い出

そうやってミサキサンを推し始めた僕はたくさんの現場に足を運んだ。下北沢で食べたカレーは美味しかったし、初出場の@JAMはアツかったし、tipToe.、クマリデパート、ダルフォン、リンワンなんかとのダブライズは興奮した。O-EastZeppでの2度のワンマンは豪華で感動した。そして、数多の配信ライブ、ミサキサン通信、対バン・・・こうやって僕はこの3年間ヌュアンスを、ミサキサンを推してきた。

 

最後の接触

ミサキサンとの最後の接触はラストライブ後の2ショットチェキだった。もちろん最後ということでミサキサンには長蛇の列が形成されており、1時間くらい待ってからのチェキ撮影となった。こういう時、変に色々伝えようとしてもしょうがないと考えて、シンプルに感謝を伝えられればいいや、と僕は考えて話し始めた。

ミ「かまやん~ありがとう!」

僕「今日はいつも通り楽しかったです…いや、いつもとはちょっと違うけどやっぱり楽しかったです!」

ミ「本当に今まで色んなライブに来てくれたよね」

ミサキサンが感慨深そうにこう言った瞬間、僕の脳内にこれまでの3年間の思い出が去来した。そして何かが決壊した僕はあふれ出す涙を抑えられなかった。僕は涙もろい方なのでライブ本編では泣くと思っていたが、チェキ撮影で泣くとは思っておらず、ただただ困惑した。

僕は泣きながら「ミサキサンは幸せでしたか?」と尋ねた。ミサキサンは笑顔で「幸せだったよ」と答えた。

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ミサキサンが僕にもたらしたもの

ミサキサンはヌュでの活動を通じて「人はひとりじゃない」ということを見つけたという。翻ってミサキサンが僕にもたらしたものは何だろうか。

それはきっと「積み重ねることの尊さ」だ。アイドルオタクをやっていると、毎回同じような曲を聞いて、同じようなチェキを撮って何が楽しいのか、と言われることがある。実際、この3年間で何回タイムマジックロンリーを聞いたかわからないし、同じようなポーズで撮ったチェキもたくさんある。

でも、僕にとってはどのタイムマジックロンリーもどのチェキも全て大切な思い出で、それを3年間積み重ねてきたことが僕の生活・人生にとても大事だと思っている。これは別にアイドルを推すことに限らない。生きるということ自体が積み重ねなのだ。

 

 

ここでひとまず「ヌュアンスのミサキサン」とはお別れだが、きっとミサキサンとはまた会えるだろう。お元気で。

 

タイトルは「sky baloon/nuance」より。

*1:こういう突然の卒業発表だと、どうしても外せない用事などでライブに行けないこともあるので、まずは参加できただけでも良かった

*2:じゃあ髪切るの1ヵ月待てばよかったのでは…と思ったのはここだけの話

*3:この曲を聴くと最初のZeppワンマンを思い出す

*4:みおちゃん脱退後はゲストを招いてしかできなかったミライサーカス。ゲスト登場かと思ったら特にそういうことはなかった

*5:わかちゃんに「そこ!?」とツッコまれていた

*6:接触に行き始めると歯止めがきかなくなって、際限なく金を溶かしてしまうのではないか、という恐れから接触イベを避けていたのだ

*7:tipToe.1期の三原海ちゃんが同時くらい