先日、「オタク」と「結婚」についての記事を読んだ。
オタクの先輩諸氏に比べて、費やした時間も知識の深さも到底及ばないことはわかっているが、さすがに年間現場数が100に届こうとしている僕が「アイドルオタクではない」と主張するのは少し無理があるだろう。
という訳で、アイドルオタクの立場として本調査の結果について考察を加えてみる。なお、アンケートの本紙は公開されていないようなので、質問内容などの一部は僕が推測したものを記載している。
自分のアンケート回答(想定)
まず、僕自身が本アンケートに回答してみよう*1。
Q1.あなたはオタクですか?
→オタクである
Q2.次の中に「オタク」と言えるほどのめり込んでいる趣味はありますか?(選択肢:一般的な趣味)
→ない
Q3.次の中に「オタク」と言えるほどのめり込んでいる趣味はありますか?(選択肢:サブカル系趣味)
→アイドル・声優
Q4.オタク趣味がある人と結婚できますか?
→交際も結婚もできる
Q5.結婚する相手の趣味について、どこまでOKですか?
→すべてOK
Q6.結婚した相手が、自分の理解できない趣味を持っていた場合、どうしますか?
→気にせず今まで通りに楽しんでほしい、自分も一緒に楽しめるよう努力したい、話を聞くくらいならしてもいい
Q7.結婚した相手に、自分の趣味を理解してもらえなかった場合、どうしますか?
→気にせず今まで通り楽しむ、相手も一緒に楽しんでほしい、放っておいてほしい
アンケート結果に対する考察
「オタク」の範囲
グラフから判断するに、「オタクである」と回答した人は平均するとと6割強くらいだろうか。また、アイドル・声優のオタクであると回答した人も15%くらいは居そうだ。
だが、僕の周りで僕のようなオタクは絶対に15%もいないと断言できる。推測だが、「乃木坂工事中、毎週見てるよ!」というくらいの人も、この調査上ではアイドルオタクである、と回答しているのではないだろうか。
ここから捉えられるのは、「オタク」という言葉の持つ幅の広さだ。「乃木坂工事中を毎週見てる人」も「地下アイドルの現場に100以上通い、CDを積みまくる人*2」も同じ「オタク」という箱の中に括られてしまっている。そしてそれが、後述するゆがみを生むのではないだろうか。
「オタク」との結婚可否
オタクと結婚できると回答した人は、5割弱という結果だ。
結構多い、と捉える向きもあるが、ちょっと待ってほしい。前述のアンケートでは6割強がオタクを自認している。つまり、20%くらいの人間は自分はオタクだが、結婚相手としてオタクは嫌だ、という矛盾を抱えていることになる。どういうことか。
僕は、前述した「オタク」という言葉についての認識のズレが影響しているのでは、と考えた。自身については「漫画を多く読んでいる」、「アイドルの出る番組を見ている」程度でオタクを自認する一方で、他者のオタク性については「たくさんのお金を使っている」、「ダサい」という偏見に満ちたイメージが先行してしまうのではないだろうか。
「アイドルオタク」との結婚可否
結婚する相手の趣味について、「アイドル・声優」をOKと答えた人は、わずか26.1%だ。つまり、僕は結婚したくても、3/4の女性からはNGを出されるという事である。世間は厳しい。悲しい。
・・・まぁそれはさておき、一方で僕がアイドルオタクをカミングアウトするときの相手のリアクションについて、そこまでネガティブなものは見られない。多くの人は「アイドル好きなんだ~!こういう事(オタ芸の動作)するの?」みたいな事を言って、面白がってくれる人が多い印象だ。もちろん、そういう女性が僕と結婚してくれるかどうかはわからないが、このグラフから見られる数値とはズレがあるように感じる。
ここから推察されるのはいまだに残る「アイドルオタク」への偏見だ。当たり前だが、アイドルオタクと言っても、ガチ恋、DD、ピンチケ、楽曲派まで幅が広いのに、それを一律でダメなんてひどい話である。しかし、「アイドルオタクと結婚できる? 」とだけ聞かれたら脳内に浮かぶのはハゲデブのおっさんが汗をまき散らして「○○ちゃーん!」と声を嗄らして叫ぶ姿なのだろう。
「漫画」は44.1%の人がOKと答えており、そこまでネガティブなイメージが薄まっている事がみられる。逆に腐女子、夢女子はひどいものである。そういった趣味を堂々とカミングアウトする人がいないからだろうか、「気持ち悪い」というイメージが染みついていると思われる*3。
総括
調査から得られた洞察
この調査から得られた洞察は大きく3点ある。
- 「オタク」という言葉はライト層からヘビー層までを包含しており、その捉え方は文脈により異なる
- オタク判定は、その対象が自分か他人かで大きく異なる
- アイドルオタクに対する偏見は未だ根強い
アイドルオタクとして一言(to非オタク)
全てのコンテンツの裏には、それを一生懸命作っている多くの人が存在している。偏見は簡単になくなるものではないが、まずは一度体験してみてはいかがだろうか。Negiccoにハマる夫を心配していた妻が気づけばネギオタになっていた事例もある。
アイドルオタクとして一言(toオタク)
共に頑張って生きていこうな*4・・・
絵恋ちゃんもこう歌っている
生まれたからには結婚したい
出所:株式会社パートナーエージェント「『趣味と結婚』に関するアンケート調査」
「アイドル」と「結婚」についてのエントリはこちら↓↓↓
idol-consideration.hatenablog.com
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