先日、北海道出身の2人組アイドルWHY@DOLL(以下、ほわどる)がその活動を終了した。8年という彼女達の活動の歴史に対して、僕が見ていたのは約1年程度と短い期間だったが、その間に感じた僕の思いを書きとめておきたい。
ほわどるとの出会い
僕がほわどるを初めて見たのは、5年ほど前のことだ*1。
5年前のある日、僕はももクロの新譜を購入しに八重洲のタワレコミニを訪れた*2。その時、偶然にもほわどるが店内でリリースイベントをやっていた。
八重洲のタワレコミニ自体が非常に狭いので、そこはステージと呼ぶにはお粗末な「スペース」に過ぎなかった。当時はアイドルと言っても、地下アイドルの世界は全く知らなかったので、店内の狭いスペースで女の子が歌い、踊る状況は僕にとって異質なものだった。まだ幼さの残るほわどるはMCで「北海道から来ました~」という事を言っていた。僕は、北海道から何らかの野心を抱いて上京してきた若い2人の幸せを心の中で祈り、ももクロの新譜を買ってその場を離れた。
ほわどるとの再会
その後、僕がちゃんとほわどるを見るのは、2018年のTIFまで飛ぶことになる*3。2018年TIF1日目、フィロのスとcallme*4を見にいったSKY STAGEで、その二組の前の時間にやっていたのがほわどるだった。その時、お台場の夜景をバックに聞くTokyo Dancingが本当に最高だった!また、その翌々日のTIF3日目のSMILE GARDENにて、同じ曲を違った雰囲気で歌い分けるほわどるの「ライブ巧者」ぶりに僕は心を奪われた。そういうわけで、僕はほわどるの魅力を4年越しに知ることとなった。
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その後、CDを購入したり対バンライブを見に行ったりしてほわどるを緩く推し始めた僕は、やついフェスで遂に初接触をする。その時驚いたのは彼女たちが客席をすごくよく見ているということだ。初接触のため、認知も無い僕に対して「3列目くらいで見てくれてましたよね~」と言ってくれたのだ*5。あとめっちゃ可愛い。という訳で、ちょろいオタクの僕はほわどるを更に好きになってしまったのだ。
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ほわどる活動終了の発表
そうやって、「ほわどる良いな~~」と思い始めていた僕だったが、そんなところに飛び込んできたのが活動終了のニュースだった。
愕然とした、、、中堅アイドル解散が相次いでいる最近のトレンドが自分の推し領域にも及んできた…。活動終了するまでの間、ほわどるの2人の勇姿を目に焼き付けなければならない、と思った僕は、仮谷せいらさんの主催イベ、TIF、定期公演、@JAM EXPO、ゆっふぃーとのツーマン、ONIGAWARAとのツーマン、リリイベなどに足を運んだ。
特に印象に残っているのは、@JAM EXPOのピーチステージのトリを務めたことだ。ステージを終えた二人に対して送られたのはフェスではあり得ないアンコールだった。オタクの気持ちが入った泣けるシーンだった。
@ JAM EXPO ピーチステージのトリ見に来てくれた皆さんありがとう御座いました!🍑
— 浦谷はるな(WHY@DOLL/ほわどる) (@humhum0401) 2019年8月24日
活動終了ということで、最後にステージをプレゼントしていただきました
大切な思い出がたくさんある@ JAMに最後に出演できて本当に幸せでした
6年 素敵な景色をありがとうございました🥺🙏🏻#アットジャム pic.twitter.com/oBIT89V0M8
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ほわどるラストライブ
そして、遂に活動終了する日、11月24日が訪れてしまった。その日のナタリーさんの記事はこちら↓
幸運にもラストライブのチケットを手に入れることができた僕は浅草花劇場に向かった*6。2人の写真で作られた、大きな垂れ幕が目を引く。ステージ上は花をあしらったオブジェが数本立っている。
ライブは「Show Me Your Smile」で始まり、「Don't ask me why」と続く。白い衣装が良い、ヘアメイクが入って嬉しい等といういつも通りのほんわかしたMCを挟み、その後はGemini曲*7を中心にパフォーマンス。
WHY@DOLL「Show Me Your Smile」(作詞・作曲・編曲 中塚 武)MV
その後、北海道時代のブロックがあり、古参の方々は一際盛り上がりを見せていた。にわかの僕は知らない曲ばかりだったのだが、現在と異なる楽曲の方向性と古参の方々の盛り上がりは活動の歴史を感じさせるものだった。
また、MCではライブ後半であることに言及し、ツアーで定着した「え~えっえええ!」*8に合わせて可愛いポーズをとるという小ネタを挟み、「Sweet Vinegar」に始まるシックなゾーンに突入する。「Sweet Vinegar」、「Dreaming night」、「夜を泳いで」等のシックで優雅なダンスで魅せるステージングは、ほわどるの魅力が最もよく表われている感じがして、僕は好きだ。
そして、最後の盛り上げゾーンとして、「Mr.boyfriend」、「恋なのかな?」、「Tokyo Dancing」、「菫アイオライト」とキラーチューンを連発!僕が好きになったきっかけとなった「Tokyo Dancing」を最後に聞くことができてうれしかった。本当にいい曲なんだよなあ・・・
そして、最後の曲です、というMCを挟んで始まったのが「ありがとう」だった。すぐに涙があふれた。こんなの、誰だって泣くだろ…*9派手なギターソロの後に始まるこのフレーズが染みた。
出会いと別れを繰り返してたどり着いた今が在るよ
そしてわかってる またスタートラインに立った事もまだまだこれから 第2章の幕開け 君たちが僕を照らす
オタクによる「ありがとう」一節の合唱を経て始まったアンコール1曲目はこの日が初披露の「album」だった。2人が最後に作詞した、この日のための曲だ。白いサイリウムが会場を埋め尽くす。ほわどるは活動終了してしまうけれど、CDの中で、サブスクリプション・サービスの中で、いつでもほわどるの音楽は生きている。二人が作詞した詞がそう思わせてくれた。
変わらない これからもずっと増える1つ1つのメモリー
そばにあるのは大好きな懐かしいメロディー
そして、本当に最後の最後の曲だ。最後を飾るのにふさわしいのはやっぱり「ケ・セラ・セラ」だ!楽しくて、幸せで、でも寂しくて、本当に終わってほしくない瞬間だった。
#ほわどる ラストライブ!
— 青木千春 (ほわどる) (@aokichiharu) 2019年11月24日
ありがとうございました!
たくさん笑って、泣いて、8年間の思いを全てぶつけて最高なラストステージにすることができたのは、皆さんの応援のおかげです!アイドルとしてやり切れた!ほわどるになれて、はーちゃんと夢を追いかけられて幸せでした!ほわどるがずっと大好き! pic.twitter.com/BVvi6ciQJ2
ほわどるが残した物
誤解を恐れずに言うと、ほわどるはこれと言って目立った「武器」を持っていないグループだったと感じる。すごい声量を持つDIVAがいるわけでもなく、奇抜なプロモーションで衆目を引くわけでもなく、卓越したトーク力を持っているわけでもなかった。その結果、ほわどるが商業的に大成功を収めたか、というとそういう訳ではなかっただろう。
二人はそんな中でもただただ、真面目にオタクと向き合い、スタッフと向き合い、音楽と向き合い続けてきた。そういった地道な活動を通して、二人の人柄は確実に周囲の人達やオタクに届いていた。プライベートでも親交の深いアイドルや、バンドール*10のメンバー、スタッフからは沢山の愛のあるメッセージが送られていた。つまり、その愚直な人柄こそが2人の武器だった。
私のソロデビューの時、ゆふちゃんひとりでもちゃんと飛び立てるように…って書いてもらったこの曲が、いつのまにか私だけのものじゃなくなって、ゆふぃすとさんや、一緒に頑張ってきたアイドルさんたちの背中も押せる曲になってること、誇らしく思います。
2人の、そしてほわどるファンの皆様の未来がよきものでありますように!
#ほわっふぃー (゚ω゚)(゚ω゚)(゚ω゚) | 寺嶋由芙オフィシャルブログ「ゆふろぐ(゚ω゚)」Powered by Ameba
ほわどるが歌った最後の曲がケ・セラ・セラでした。どんな言葉を使って僕の気持ちが表せられるのか誰か教えてくれたらいいのに。
— 吉田哲人 TETSUTO YOSHIDA (@tetsuto_yoshida) 2019年11月24日
ありがとう。https://t.co/JDEEcTbHUF
WHY@DOLLのおふたり、卒業おめでとう。 #手を振った君がなんか大人になってしまうんだ #実は最後の人の許諾とるのに苦労した pic.twitter.com/TSamnH1Kyp
— Tats (@Buzz_The_Fuzz) 2019年11月25日
そして、最後に彼女達が活動終了する時に心から「幸せでした」と言えたのなら、それは商業的な成功なんかより、何百倍も価値のあるものだったのではないだろうか。少なくとも僕はそう信じている。
ラストライブありがとうございました!!
— 浦谷はるな(WHY@DOLL/ほわどる) (@humhum0401) 2019年11月24日
本当に楽しくてあっという間でした☺
8年と5ヶ月 続けられたのも、好きでいてくれたみんながいたからです
感謝してもしきれないけどありがとう以上の言葉が見つからないから
今まで本当にありがとう。
幸せでした。 pic.twitter.com/iBzdRxqfcd
二人とも、どうかお元気で。またいつの日か。
タイトルは「ケ・セラ・セラ/WHY@DOLL」より