とあるKSDDのアイドル考察録

アイドルオタク9年目のKSDDがアイドルに関して色々考えてみます

夢の中で会えたら名前は憶えていてね 〜十束おとは生誕祭2022〜

先日、Spotify O-Eastにて、「おとはす」こと、フィロソフィーのダンス十束おとはさんの生誕祭『♡十束おとは生誕祭♡おとはす最後のお願い♡2大祭り♡』が行われた。11月に卒業することを発表している彼女にとって、これが最後の生誕祭になるということで、昼夜両公演参加してきた。

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まずは昼公演からだ。昼公演のタイトルは『♡バンドセットでたくさん歌わせて♡メンバーとデュエットもしたいな♡』と、バンドセットであることが明かされていた。暗転したままのステージにバンドメンバーが、次いで白いドレスを纏ったおとはすが登場した。

そして、囁いた。

せーのっ♪

おとはすの最後の生誕祭が始まった。

 

 

第1部『♡バンドセットでたくさん歌わせて♡メンバーとデュエットもしたいな♡』

暗黒オタクメドレー

生誕祭の幕開けはメドレー形式の3曲のアニソン。僕はアニメにはあまり造詣が深くないので1曲目の「恋愛サーキュレーション」しかわからなかったが、どれも生バンドの気持ちいいサウンドでノれる!3曲目の「さぁ」なんて、めっちゃファンキーだ。しかし、その後のMCでおとはすが言うことには「この暗黒オタクメドレーが全部わかった険しいオタクはあまり青春時代楽しくなかったのかも…笑」とのこと。

 

おとはすソロ〜メンバーとのデュエット

おとはすがソロで歌い上げたのは、おとはす強オタでもあるお母さんが好きなアーティストだと言う松田聖子の「瞳はダイアモンド」。せつないメロディーに乗せて堂々と歌い上げる様は見事*1

そして続くのはデュエットパートだ。1人目のデュエットの相手に選んだのは、なんと、それまでコーラスで参加していた増村エミコさん*2。2人で披露したのはYOASOBIの「群青」。後述するが、これがめちゃくちゃ素晴らしかった。

次いでイントロの演奏が始まる中、おとはすが「ここ渋谷で5時に待ち合わせてるんだけどな〜」という小芝居をしている中、登場したのはティアドロップのグラサンに付け髭、ジャケット姿のハルちゃん。チビ鈴木雅之だ!

ハルちゃんによるマーチンはさすがの一言。朗々とした歌声でグルービーにファンキーにマーチン節を再現する*3。おとはすが自腹で買ったというグラサンをおとはすに逆プレゼントする等のやりとりをして、最後に「違う、そうじゃない!」というネタをぶっ込んでハルちゃんは去り、混沌とした空気が漂い始めた。

 

次は、ピンク色の印が付けられたマイクとマイクスタンドをスタッフが持ち込み、あんぬさんとのデュエットがスタート。白いワンピースのあんぬさんと白いドレスのおとはすがデュエットするAKB48の「てもでもの涙」。あんぬさんが言う通り、”尊いはすあんぬ”コンビという感じ*4

そして、デュエットパートのラストを飾るのは黄色の衣装とサンバイザー姿で登場したマリリさん。俺たちの世代ならこの時点でわかる、ボヨンボヨンとコミカルに動きながら始まったのは松浦亜弥の「Yeah!めっちゃホリデイ」だ!コミカルに、ネタっぽく始まったが、歌い始めると”あやや節”というよりは”マリリ節”が炸裂。曲中にマリリさんがぶっこむ変顔も最高だ。しかしマリリ生誕に引き続き、この2022年に2回もマリリさんによるあややを聞くことになるとは。

ここで挟んだMCでは、デュエットパートでは各メンバーに歌ってほしい曲を選んだという話など。衣装*5を着ることが決まったのは生誕祭直前のことだったらしく、おとはすが自腹を切ってAmazonでかき集めたそう。「コスを着てくれると思ってなかったから嬉しい…」ということをおとはすは言っていたがピチピチのドラえもんタイツを着るような女達なら躊躇なく着るだろwと思った。

 

フィロソフィーのダンス”のパート

そんなわけでステージには鈴木雅之コス女と、あややコス女と白ワンピ清楚女とゴージャス白ドレス女が立っているわけだが、そんな面白4人女が横一列で歌い出したのはアニメ『けいおん!!』の挿入歌で、放課後ティータイムの「天使にふれたよ」だ。卒業をテーマにした歌詞がささる。

でもね、会えたよ! すてきな天使に
卒業は終わりじゃない
これからも仲間だから

この可愛くもエモい曲をばらばらのヘンテコ衣装の4人組が歌っているわけだが、なんだか僕にはその姿こそが「フィロソフィーのダンス」だなぁ…と思えて、愛おしい様な、せつないような気持ちになった。

そして、フィロのス楽曲から「ライブ・ライフ」。マーチンモノマネに熱中しすぎて振りを忘れるハルちゃんや、マリリさんのおっぱいを鷲掴みしてドキドキしてしまうあんぬさんに笑わされる。そしてコーラスのエミコさんがいるということで「愛の哲学」。この曲には他の言葉はいらない。愛だ!!!

 

アンコール

アンコールにおとはすが選んだのはソロ曲「捕まえてSo To Heart」。キーボード1台だけのバージョンにアレンジされていて、しっとりと歌い上げるおとはすの声がだんだんと震え、そして終盤は涙を流しながらの歌唱。僕も泣いた。周りのオタクも泣いてた。

捕まえて 確かめて この指もこの両脚だって幻かも

気が付けば 跡形もなく

ほら あなたの前から消えちゃうかもって

最後のMCでおとはすは、リハでも泣かなかったし泣く予定じゃなかった、なんてことを言っていたが、自分のことが分かってなさすぎる。卒業発表後、無観客リリイベで泣くくらいの涙腺の弱さなのに、黄色のペンラで染まったO-Eastであんな曲歌ったら泣くに決まってんだろ!

 

セトリ

1.暗黒オタクメドレー(恋愛サーキュレーション花澤香菜)→さくらんぼキッス~爆発だも~ん~(KOTOKO)→さぁ(Surface))
2.瞳はダイヤモンド(松田聖子
3.群青(YOASOBI)w/増村エミコ
4.渋谷で5時(鈴木雅之)w/日向ハル
5.てもでもの涙AKB48)w/佐藤まりあ
6.Yeah!めっちゃホリデイ(松浦亜弥)w/奥津マリリ
7.天使にふれたよ!(放課後ティータイム
8.ライブ・ライフ
9.愛の哲学
en.捕まえてSo To Heart

 

第2部『♡おとはすチョイスの激アツセットリストでワンマンさせて♡』

序盤

僕の位置取りも違ったので正確にはわからないが、2部は1部よりも更に人が多かった印象。O-Eastをオタクの熱気が埋め尽くす中、色鮮やかな赤い新衣装を纏ったフィロのスが登場!そして始まったのは「はじめまして未来」!!以前はちょくちょくパフォーマンスされていた曲だが、最近ご無沙汰*6。1曲目にこれを持ってきたことでなんとなくおとはすの意図を察する。続くのはおとはすのウィスパーボイスが光る「テレフォニズム」、そして「スーパー・ヴィーニエンス」。やっぱり今日はレア曲やる感じということか。

ここで一度MCを挟み、新衣装についてのトーク。テーマは現体制ラストEP「Red Carnival」とのこと。マリリさんは「男漁りをするぞ!男を捕まえるぞ!」という色気が、あんぬさんはバレリーナ、ハルちゃんは全力でカーニバルを楽しむお祭り野郎、おとはすはセーラームーン要素を入れて後ろにリボンをつけた、とコメント。メジャーデビュー後のフィロのスの衣装は青(ダブル・スタンダード)、黄(サンフラワー)、ピンク(愛の哲学)と来て今回の赤でメンバーカラーがそろったことになる。

 

中盤(メガネ紛失)

今日はレア曲をやるよ、というコンセプトの説明もあり、始まったのは初期の名曲「DTF!」だ!!!イントロと同時にオタクの「ダダダダッダダダダッダーダーダー」という濁声が脳内にこだまする…気がする。僕がオタクになったのは2017年ころだったが、その時はまだフィロのスのYouTubeにはまだコンテンツが少なく、僕がこの頃繰り返し見ていたのが「ベスト・フォー」とLisa-Xさんとのコラボでの「DTF!」だった。つまり爆沸きってこと!!


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そして、サビで「Don’t think feel!」で拳を突き上げた!…と、その瞬間視界が歪む。なんと僕は自分の突き上げた拳で自分のメガネをすっ飛ばしてしまったのだ。いくら運動神経悪いとはいえ、そんなことある??近くを捜索するもまるで見当たらず…裸眼視力0.1の僕はそれ以降のライブを全部ぼやけた視界で楽しむことになった。

アイドルのライブで視力を奪われるというのはかなり痛いことだが、フィロのスに関しては音だけでも十分楽しめる。ライブ中の視力回復を諦めた僕は目を閉じて「シスター」の美しいハーモニーに身をゆだねた。

続くMCのトークテーマはおとはすとの「楽しかった思い出(あまり真面目じゃないやつ)」。マリリさんは新幹線でのオタクおとはすイジリ、あんぬさんはカフェ行ったりラーメン食ったりしたこと*7、ハルちゃんは声を出しても大丈夫な器具を得たおとはすが飲食店でその器具を使ってください早速デカい声を出していたのが面白かった、という本当にまじめなじゃない話。

 

終盤~アンコール

本編ラストは「ダンス・ファウンダー」からの「ライブ・ライフ」という鉄板中の鉄板で締め。この2曲はすべてを解決するパワーがある。

そして、アンコールで出てきたおとはすが、フィロソフィーのダンスはカッコいいけど、それと同じくらいかわいいグループだと思う、というトークから振ったのは、「パラドックスがたりない」!!5年推してて2,3回くらいしか聞いたことないぞ。なんちゅう古参殺しセトリだ…そしてラストは「この曲聞かなきゃ帰れないですよね~?」というあんぬさんのお馴染みの煽りからの「すききらいアンチノミー」だ。大満足!

ちなみに、終演後メガネも無事に回収。

 

セトリ

1.はじめまして未来
2.テレフォニズム
3.スーパーヴィーニエンス
4.DTF!
5.フォーカス
6.シスター
7.ダンス・ファウンダー
8.ライブ・ライフ
en1.パラドックスがたりない
en2.すききらいアンチノミー

 

おとはすの「声」

1部の「群青」の前のMCでおとはすは増村さんをデュエットの相方として選んだ理由を語ってくれた*8

私は最初のレッスンの時に先生に言われた言葉を今でも覚えていて…これめっちゃいい話なんですけど(笑)

私がフィロのスに加入して、ボイトレに通おうと思って、何人かの先生に通った時に私は「そういうグループなら、あなたはそもそも歌い方を変えた方がいい」と言われたんですね。

でも、そんな中、先生だけは「あなたは素敵な声だから歌い方を変える必要はない。その歌い方のままで上手くなる方法を考えましょう」と言ってくれたんですよ。

増村さん以外の方々の意見も理解できる。ファンクやR&Bをカッコよく歌うダンス&ボーカルグループにおとはすの声は似合わないというのはそれなりに「正しい」感覚だ。加茂さんの初期構想であるメインボーカル2人の「EXILEのようなグループ」のバックコーラスにアニメ声は必要ない。

でもフィロのスはそういうグループにはならなかった。フィロのスはボーカル4人の「ベスト・フォー」のアイドルグループだ。おとはすのようなアニメ声でファンクやR&Bを歌う「意外性」から、アイドルとしての魅力が生まれた。フィロソフィーのダンスというグループを象徴する楽曲「アイドル・フィロソフィー」の冒頭、パワフルなイントロの後、最初の歌い出しを任されたのはおとはすだった。

ねぇどんな風に思っているのかな?


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おとはすが増村さんに出会えて、師事できて良かった。おとはすの声があったから、フィロソフィーのダンスはこんなにも魅力的なグループになった。

そうやって声と歌い方を大事にしながら磨いてきたおとはすの歌唱力と増村さんによる圧巻の「群青」のコーラスワークを僕は涙をこらえながら聞いていた。


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おとはすの最後の生誕祭も終わり、卒業まではあと2か月。日比谷野外音楽堂で僕たちは何を目撃するのだろうか。

 

 

タイトルは「捕まえてSo To Heart/十束おとは」より。

*1:現代アイドルのオタクなので、この曲聴くと矢川葵さん…と思ってしまう

*2:現在は長渕剛のツアーに帯同しているという。すげぇ。

*3:動きのモノマネも結構入っている。ハルちゃんの分析によると、マイクに対して結構後ろにスタンスをとりがち

*4:あんぬさんの衣装画像あがってなかった・・・

*5:というか、コスプレ

*6:結局あの曲のMVが消えた理由よくわかってないんだが、何でなの?

*7:初日からカフェに行った、最近はみなとみらいに行った等

*8:うろ覚えなのでニュアンス。こんな感じのことを言っていた