とあるKSDDのアイドル考察録

アイドルオタク9年目のKSDDがアイドルに関して色々考えてみます

夢は終わらんよ

でんぱ組.incは比較的オタク初期に僕がハマったアイドルグループだ。

モノノフになって徐々にアイドル業界を学んでいく中で引っかかったのが、エビ中、ベビーメタル、そして、でんぱ組だった。今から振り返るとミーハー感あふれる面子だがオタク1年目ならしょうがない。そして、僕がでんぱ組を初めて見たのは2014年の武道館公演だった。

感動した、という言葉ではあまりに陳腐だが、実際すごく泣いた記憶があるし、DVDも買った。その武道館公演で「皆さん一人一人が私たちを武道館に連れてきた自覚はありますか?」と僕のことを叱ったのがねむきゅんこと夢眠ねむだった。

強いオタクはCDを積んだり、ライブを全通したりする一方で、弱いオタクは在宅がちだったり、CDもたくさん買ったりしない。そして、弱いオタク(実際初めてのでんぱ現場だったし)の僕は当時、感動はしたが、どこか蚊帳の外から眺めるような気持ちでライブに参加していた。そんな僕をオタクとして当事者の地位に引き上げてきたのが、ねむきゅんのその言葉だった。

 

1月7日のでんぱ組の武道館公演は、ねむきゅんの卒業公演だった。

 

その前日、1月6日、年末年始休暇の最終日に僕は武道館にいた。実に2年ぶりにでんぱ組のワンマンライブに参加するためだ。2018年、フェスなどで見る機会はあったが新体制でんぱ組ワンマンを見るのは初めてだ。「ワレワレハデンパグミインクダ」もよいアルバムだったので、この日は素直に楽しみだった。

そして、まさに期待通りの楽しいライブだった。楽しみにしていたH ZETT M楽曲も良かったし、NEO JAPONISM、ちゅるりちゅるりら、破!to the Futureのアゲ曲連発ゾーン。そして、後半にはバリ3やキラキラチューンなどの定番曲とニューアルバム曲を織り交ぜていて、自分的には本当に楽しめる、ベストアルバムを聴いているかのようなセトリだった。アンコール1曲目、武道館で聞くオレンジリウムはやっぱり最高だ。ギラメタスでんぱスターズいい曲だなぁ、、、と思っているうちに1日目が終了した。

 

natalie.mu

本当にあっという間だった。そして、その日はメンバーカラーの風船がついたフラスタが最上もがから贈られていた。2年前、もがちゃんラストライブを見たのは同じ武道館だった。

 

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そんな前日のライブの興奮冷めやらぬ中迎えた1月7日、ついにねむきゅんが卒業する日だ。そしてこの日は…普通に仕事初めでもある。チケットはある。が、悪名高き裁量労働制とはいえ、17時開始はサラリーマンにとって早すぎる…!会社を17時過ぎに飛び出して、ダッシュで九段下に向かい、着いたのは、17時半過ぎ。「まもなく、でんぱ組.incが離陸致します」の最中だった。

 

ねむきゅんが主役の卒業公演ではあるが、終始明るい雰囲気だった。でんぱれーどJAPANでは、ねむきゅんが未鈴ちゃんからセンターを勝ち取るコミカルな演出で楽しませてくれる。古の曲メドレーで使用された、「Kiss+Kissで終わらない」。以前、ねむきゅんがtwitterで口上を教えてくれたので、少し言えた。昔このtweetを見たときは、「こんなキモい口上なんて言えるか!」と思っていた初心なオタクは、こんな口上やガチ恋口上も言えるキモオタに成長しましたよ。

 

「あした地球がこなごなになっても」や、「エバーグリーン」では感動して少し泣いてしまう。キンブレX-2の色が15色あって良かった。緑とミントグリーンって結構色違うんだよな。そして、そのミントグリーンは根本さんに引き継いがれた。

前日にねむきゅんが「でんぱ組は夢をかなえる装置」だと言ったが、高校中退のゲーマーが武道館に立ったり、ええ歳のアイドルがプリキュア声優になったり、引きこもりのドルオタが推しから武道館で色を引き継がれたり、本当にでんぱ組には夢を叶える力があるのかもしれない、と思わされる光景だった。

本編最後の曲は「でんでんぱっしょん」。まじめな雰囲気から一転、茶番が始まる。そんな茶番の中で、「誰が私を運んでくれるの」と言ってピンキーが泣いていた。ピンキーは後輩が入って大人になったという噂だったが、ねむきゅんの前ではやっぱり子供のようだった。

「ねむきゅん!」のアンコールを経て、ねむきゅんがアイドル人生最後の曲として選んだのは、「WWDBEST」だった。WWDシリーズは無いと思っていたので、驚き、泣きながら「たいがぁ…ふぁいやぁ…」みたいなヘロヘロのMixを打った。2年前の武道館では悲壮感漂う中、泣きながら歌われたこの曲だったが、この日は頼もしく聞こえた。でんぱ組は色んな困難を乗り越えることで、この曲を歌えるようになったのかもしれない。こうやって、ねむきゅんは、この上なく幸せな形で卒業を迎えた。

 

 しかし、ここからが夢眠ねむの真骨頂だった。ダブルアンコールで「元」でんぱ組.incとして出てきたねむきゅんは、オタクとして、新体制6人のでんぱ組の初めてのパフォーマンス、「Future Diver」を鑑賞。


でんぱ組.inc「Future Diver」Full size

 

跡部卒業→もがぴん加入→もが脱退→ねもぺろ加入、という移り変わりにずっと寄り添い続けたFuture Diverを新体制一発目に聞くのは特別な感慨があった。何より、でんぱ組がこの曲を歌えている以上、これからのでんぱ組もきっと大丈夫なのだろう。そう思わせてくれる愛に溢れた演出だった。

 

natalie.mu

 

 

ねむきゅんは1回目の武道館後のブログで、こんなことを書いている。

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武道館でみんなに思い出して欲しかったこと。
私たちを武道館に連れてきてくれたのは、紛れもなくでんぱ組を好きだって言ってくれているあなただということ。
好きになった時期も、時間も、思いの強さも、そんなの関係ない。その時その瞬間を作っているのはあなただということ。

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ameblo.jp

 

 

僕にオタクとしての心構えを教えてくれたのはねむきゅんだった。

今までありがとう。どうかお元気で。